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先週の土曜日は、新・中学3年生向けの集団授業で、理科の実験をしました。
3年生の台車を使った運動の実験です。
板で作った坂道で台車を転がし、
紙テープに記録タイマーで「点」を打っていくあの実験です。
ここは多くの子供たちがつまづく単元です。
ですから「2時間」という塾にしては多くの時間を使い、毎年取り組んでいます。
 
「なんだ、台車の実験なら、学校でやるじゃん」
とお思いの方もいるでしょう。
そうなんです。多くの学校で、台車の実験は実施しています。
けれども、その上で多くの子供たちが、つまづくのも現実です。
なぜでしょう?
 
その理由をきちんと理解したうえで、実験や授業を行うと、
もう少し理解が深まり、定着も図れるのではないでしょうか。
 
つまづく理由はいろいろありますが、簡単に言うと次の3つが大きな要因です。
 
① 速さの計算でつまづきやすい
② 「台車の動き」と「記録テープ」「表」「グラフ」の関連性が弱い
③ 「わかる」から「できる」にするための演習量が足りない
 
個人で見たら、もっとたくさんありますが、
全体的に言うと、この3つを押さえていれば、理解と定着は深まるはずです。
(他にも、「記録テープの読み方」などでつまづきやすいところもありますが、
それくらいは、実験考察のための説明と、その後の演習で賄えるはずです。)
 
①を克服するためには、「理科」の授業で「速さの計算」を扱う必要があります。
簡単にスモールステップの演習も含めて5分くらいでいいのです。
わかっている人には退屈かもしれませんが、
その後の演習をスムーズに進めるためには、ここが必要です。
また、理解している人には、それなりの演習プリントや雑学プリントを渡しておけば退屈はさせません。
 
②を克服するためには、実際に行った実験データ以外に、
いくつかの実験データを使って、「表」や「グラフ」をかく時間をつくるのが良いでしょう。
「記録テープ」を「表」に落とす。
「表」を「グラフ」に表す。
「記録テープ」を用いて「グラフ」にする。
そのたびに、
「記録テープ」「表」「グラフ」のデータと「台車の動き」を関連付けるために、
「このデータのとき、台車はどんな運動をしている?」と質問して答えさせていけば、イヤというほど身に付くでしょう。
 
③は、②をしっかりやっていれば、ある程度スムーズに進みます。
後は問題集を使って、いくつかの表現になれながら演習をしていけばいいのです。
実際、次回授業は実験の復習をさらっとやってから、演習中心に行っていきます。
 
実験をすることの最たる効用は、体で覚えることができることです。
実際にやってみることで「体感」できます。
「体感」したことを意味づけたり理解したりすることで「体験」になります。
「体験」は、それを振り返り、まとめと考察を繰り返すことで、
その後も使える「経験」になります。
 
それは、教科書に書かれている「情報」を「知識」に変え、
「知識」を「知恵」に変えるプロセスに似ています。
 
そうやって、体で記憶したことは、忘れにくいものです。
「体験し振り返る」という体験学習は、たくさん取り入れていきたいものですね。
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