受験マラソンをがんばって走っている子供たちを見ていて、
昨年から自分もマラソンに挑戦することにしました。
マラソンは、それを通して多くのことを学ばせてくれます。
コーチとしても、教育に携わる者としても、大きな成長を促してくれます。
マラソンの経験を活かした小話を少し紹介します。
●自分に負けた日
「寒いし眠いし、体もだるいから今日はいいか」
そうやって朝起きられなかった弱い自分を何度も経験しました。
子どもたちが、勉強をやろうと思ってもできなかったときの気持ちを
心の底から共感できるようになりました。
「そういう時もあるよね。大人になってもあるもの。
だからこそ、そういう弱い自分と向き合って、
少しでも自分に克てるようにしていく姿勢が大事だと思うんだ。
こういうところに、勉強や受験の価値があると思う」
子どもたちは、真剣に聞いてくれます。
●「できない」理由ではなく、「できる」理由を考える
「もう無理だと思ったよ。フルマラソン走った後に、その先さらに30km走るなんて」
2度目のフルマラソンのレース後、身体はボロボロでした。帰りの電車は爆睡。
その3週間後に70kmのレースが控えていました。
そんなときに頭をよぎったのは、「できない」理由、「やらない」理由。
「3週間後にプラス30kmだなんてとても無理だよ」
「どうせ無理ならレースに出なくてもいいんじゃない。
レース会場のまでの旅費だってばかにならないし」
そんな自分に気がついて、「できない」理由・「やらない」理由ではなく、
「できる」理由・「やる」理由を考えるようにしました。
「超回復を活かせば、もっと走れるようになる」
「最終的にゴールできるかどうかは分からないけれど、スタートに立つことはできる」
そうしたら70kmのレースを完踏できました。
「もしあの時、できない理由を考え続けていたら、ゴールできなかったと思うんだ。
恐らく、スタート地点にも立っていないだろうから」
この話をすると、後ろ向きだった子供たちも真剣に話を聞いてくれます。
少しは前向きになれるようです。
●自分のペースで!
「受験まで時間がないので、数学をどうすればいいのか分からなくなってきました」
高3生の相談を受けました。
入試本番まであと3カ月なのに思うように成長していない自分に焦っていました。
時間がないから効率を求める。けれど、効果のほどが顕れていない。
自分のペースを崩しかけている彼に、レースの話をしました。
「先日、初めてウルトラマラソン(100km)にチャレンジしてきたんだ。
そこで大事だなと思ったのが、自分のペース。
レースの初め山を登るのだけれど、みんな走っている中で一人だけ歩いて登ったんだ。
後半の体力が心配だったから、体力に余裕を持てるように。
歩いているときはみんなに抜かれるのだけれど、
平地になって走り始めると、疲れていないからみんなを抜かすんだ。
そうして自分のペースで進んでいくと、結局走っている人と同じくらいのペースなんだ。
けれど、頂上に着いた時の体力は、走って登った人たちより余裕なんだよね。
おかげでレース後半も体力がもって、目標より早くゴールできたんだ」
「みんなが走っているから自分も走るのではなく、
自分の目標に向かって必要なことをやればいい。
自分のペースを崩したら、目標までたどり着けないかもしれない。
だから自分のペースで進もう。
効果が出ていないと言っていたけれど、
今まで効果が上がっていたときの学習方法はどんな方法?」
そうすると、彼は自分にあった学習法を思い出し、
自分の本来のペースを取り戻したようでした。
マラソンは、自分と向き合い、自分にチャレンジする場を与えてくれます。
受験マラソンに励んでいる子どもたちがいる限り、やめられそうにありません☆
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